山辺の道を走る|奈良・日本最古の道30kmを旅ラン【GPX付き】

ロードラン

奈良といえば東大寺や奈良公園のシカのイメージが強いが、それ以外にも奈良には多くの見どころがある。奈良盆地の東縁、三輪山の麓をたどる山の辺の道は、日本最古の道のひとつとされる。その道を「走る」のは、単なる観光でもレースでもない、贅沢なランニングアクティビティなのだ。

ルート

ルートA:奈良〜桜井 30km

Map of the route “山辺の道を走る|奈良・日本最古の道30kmを旅ラン【GPX付き】”: 31.08 km, 909 m of climbing and 927 m of descent, elevation between 67 m and 168 m, time 05:05:20. It starts at 34.68125, 135.83164 and ends at 34.51525, 135.84651 (latitude, longitude).

合計距離: 31.2 km
最高点の標高: 168 m
累積標高(上り): 909 m
累積標高(下り): 927 m
Download file: yamabe_30K.gpx
ルートB:天理〜あすかの湯 20km

Map of the route “山辺の道を走る|奈良・日本最古の道30kmを旅ラン【GPX付き】”: 21.47 km, 462 m of climbing and 463 m of descent, elevation between 68 m and 161 m, time 03:31:15. It starts at 34.59998, 135.83183 and ends at 34.50859, 135.80996 (latitude, longitude).

合計距離: 21.48 km
最高点の標高: 161 m
累積標高(上り): 462 m
累積標高(下り): 463 m
Download file: yamabe_20K.gpx

基本情報

ルートA:奈良〜桜井ルートB:天理〜あすかの湯
距離約30km約21km
獲得標高696m316m
スタート近鉄・JR奈良駅JR・近鉄天理駅
ゴールJR・近鉄桜井駅あすかの湯(橿原市)
難易度中級初〜中級
こんな人向けロング走兼ねて見どころ重視

アクセス

区間交通手段
東京→奈良新幹線+近鉄(約2時間)
東京→天理新幹線+近鉄(約2時間20分)
大阪→奈良近鉄(約35分)
大阪→天理近鉄(約45分)
ゴール桜井→奈良近鉄またはJR(約20〜30分)
あすかの湯→畝傍駅徒歩20分 or タクシー

首都圏からの日帰りも可能。東京始発なら午前中にスタートでき、ルートBなら余裕をもって日帰りできる。夕食をゆっくり楽しんで翌日に観光するなら宿泊すべし。

コース詳細情報

① 奈良スタート〜石上神宮(約8km)|ルートAのみ

奈良市内を抜け、丘の縁に沿って南下を始める。最初の数キロは街の雰囲気が残るが、やがて視界が開け、大和平野の田園風景が広がりはじめる。

石上神宮(いそのかみじんぐう)は、日本最古の神社のひとつ。境内に鶏が放し飼いにされていることで知られる。鬱蒼とした社叢に包まれた神域は、走っていた足を自然と止めさせる。

② 石上神宮〜景行・崇神天皇陵周辺(ルートA:約10〜17km / ルートB:序盤〜中盤)

古墳が連続して現れるエリア。古墳が身近にある場所で生活している人は少ないと思うので、そういう人にとってはエキサイティングな場所。古墳の中には管理されておらず立ち入りできてしまうものもある(管理されている古墳かどうかは慎重に確認してくださいね)。

「古墳」というと昔の偉い人のお墓で、宮内庁が管理している大事な遺跡…なんだけれど、実際には長閑な景色の中にこんもりとした丘がある、といったすごく平和な風情。古墳の脇に座ってサンドイッチでも食べたりしても良いかも知れない。

③ 天理市周辺(ルートA:約15〜20km / ルートBのスタート地点)

天理市は天理教の本拠地であり、天理大学がある街。コースはその市街地をかすめるように通過する。宗教の街というよりは地域全体が天理大学のキャンパスといった趣。天理大学の校舎は独特なデザインで面白い。駅前は飲食店が多く、補給にも便利。

④ 大神神社(三輪山)〜桜井・ゴール(ルートA:約20〜30km / ルートB:中盤〜ゴール前)

コース最大のハイライト。古代日本における中枢の本拠地。三輪山(標高467m)を御神体とする大神神社(おおみわじんじゃ)は、本殿を持たない日本最古の神社形式を今に伝える。参道の巨大な一の鳥居をくぐる瞬間の開放感は格別(鳥居はコースから少し外れたところにあります)。

このあたりは見どころがたくさんある。

大神神社エリアの見どころ

大神神社(おおみわじんじゃ)

三輪山を御神体とする日本最古の神社。本殿を持たず、拝殿奥の三ツ鳥居を通して三輪山そのものを拝む形式は、古代の信仰をそのまま伝えている。参道入口にそびえる大鳥居は高さ32m。コースを走っていると遠くから視界に飛び込んでくる瞬間がある。

狭井神社(さいじんじゃ)

大神神社の摂社。病気平癒・身体健康の神様として信仰される。拝殿脇の薬井戸から湧く「ご神水」は万病に効くといわれ、自由に飲むことができる。三輪山の登拝口はここ。入山の申し込みもこちらで行う。

檜原神社(ひばらじんじゃ)

大神神社の摂社で、祭神は天照大御神。本殿・拝殿を持たず、三ツ鳥居を通して御神座を拝む形式。「元伊勢」の伝承地とも呼ばれる。春分・秋分の頃には鳥居越しに二上山へ夕日が沈む絶景が見られる。コースから少し外れるが、時間があれば立ち寄りたい。

山の辺の道 花もり(カフェ)

狭井神社のほど近くにある、山の辺の道沿いの隠れ家カフェ。名物は三輪のご神水を使って手作りするわらびもち。挽き立てのきな粉と黒蜜で仕上げる素朴な味が疲れを癒してくれる。オープンテラスあり。


ルートAは桜井駅がゴール。ホテルルートイン桜井駅前に宿をとっているなら、チェックインして大浴場へ、ルートBはそのままあすかの湯まで走り込んで汗を流す。


泊まる・食べる・整える

宿泊

ホテルルートイン桜井駅前には大浴場あり。30kmを走ってすぐに広い湯船に入れるのはポイント高し!

グランヴィリオホテル奈良は桜井から少し距離があるが、天然温泉の大浴場がある。ホテル周辺の飲食店は少ないけれど、天理まで出やすい。

グルメ

天理市周辺はグルメエリアで天理ラーメンが有名。ラーメンに限らず居酒屋・食堂が揃っている。地元の呑兵衛曰く、天理が一番面白いらしい。

桜井駅前にも飲食店は点在しているけれど、数は多くない。ソロ旅の場合、bistro bar JaM がオススメ。カウンター席でのんびり食べてゆっくり飲める雰囲気。

日帰り温泉:あすかの湯

あすかの湯(橿原市・桜井市との境付近、国道165号線沿い)は、ルートBのゴール地点でもあり、走り終えてそのまま湯船に直行、という黄金ルーティンが可能。

露天岩風呂・総檜の炭酸泉・洞窟風呂・壺湯など全17種のアイテム浴が揃い、疲れた脚を順番にほぐしていける。サウナも本格的(5段タワー、水風呂深め)で、整いたい人にも対応している。食事処も併設。


翌日:三輪山に登る

翌日は三輪山への登拝が強くオススメ。

大神神社の御神体である三輪山(標高467m)は、登山ではなく「参拝」として山に入る場所。山岳信仰の元祖とも言えるスポット。入山には入山料が必要で、禁酒・禁煙など一定のルールへの同意が求められる。そして何より、山内で見聞きしたことは口外禁止とされている。

所要時間は往復2〜3時間。山頂には一体何があるのか?ちなみに自分が登拝した時に隣にいた女性グループは「え?これなに?なんなの?みんな何が見えているの?」と不思議がっていました笑。


その他

・特に大神神社周辺は観光客が多く、タイムを競うようなコースではないのでペースは抑える。

・コース全体でアップダウンはそれなりにあるので良い刺激になると思う。

・路面は舗装路7割・未舗装3割といった印象。未舗装区間もかなり整備されていて路面状態は良いのでロードシューズでOK。

・3月下旬〜5月、あるいは10〜11月の紅葉期がベストシーズンと思われる。盆地なので夏はかなり厳しそう。


最後に

「日本最古の道」と言っても「古代には他にも普通に道があっただろ」とツッコミたくなるけれど、

・ヤマト王権の発祥の地(大神神社周辺)と平城京(奈良駅周辺)を繋ぐ道で当時の主要な道だった

ということらしい。

奈良は他にもたくさん見どころがあるのだが、あまり知られていない。というか僕も知らなかった。奈良県や市はオーバーツーリズムを危惧して観光誘致にあまり力を入れていないという話も聞いた。地元の人曰く「京都みたいになったら困る」と。

逆に言うと(奈良公園周辺以外は)観光を静かに楽しめるということだし、だからこそ「走って旅をする」という選択肢も取れるのだ。さらに奥には明日香村や吉野山という場所もあって、奈良はすごく奥が深い地域なのだ。